ユキノシタは、ユキノシタ科の常緑の多年草で、北海道を除く山地に自生しています。日本、中国では古くから民間薬や一年中採れる山菜として親しまれてきました。ユキノシタの名の由来は、寒い雪の下になってもかれないことから、ユキノシタと呼ばれるようになりました。
ユキノシタは、全体に赤褐色の長毛があり、根茎は短く、紅色の糸状の長い葡匐枝を四方に出して、この枝が地面をはうようにして伸びて、ところどころに根を出して、先端はイチゴのように新しい芽を生やし、やがて独立した株となって繁殖します。
葉の色は赤っぽく濃い緑色、葉脈は白、葉の裏面は赤紫色ぽっい緑色をしていています。紅色は細胞液に含まれるアントシアン色素を含むためです。
ユキノシタの花茎は、高さ20~40センチで、多数の白い花がついて円錐花序をつくります。
ユキノシタの葉は、塩茹でにして水にさらし、酢味噌和え、辛子和え、ゴマ和え、汁の具、煮物などにできます。また、生の葉を良く洗い、水気わとって、薄目に衣をつけて、少し低温で揚げると美味しい天ぷらになります。ユキノシタは一年中採取できるので重宝な山菜となります。 |
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薬 用 利 用 |
採取・調整 |
5月~7月の花期に葉を採取し、陰干しで乾燥させます。
陰干し乾燥させたものを生薬で虎耳草(こじそう)といいます。 |
薬 効 |
中耳炎、はれもの・できもの、痔、しもやけなど
有効成分として、硝酸カリウム、塩化カリウム、ベルゲニンが含まれます。 |
使用方法 |
心臓病や肝臓病などで、軽いむくみがあるときは、虎耳草を10gを1日量として、水400㍉リットルで半量まで煎じて煮詰めたものをこして、1日3回にわけて服用します。
この虎耳草の煎じ汁は、痔の痛みに効果があります。煎じ汁を脱脂綿に浸して、患部を軽くなでるように洗うと痛みが和らぎます。
はれもの、しもやけ、ひびには、新鮮な生の葉を水洗いして火にかざし、柔らかくして直接患部に貼ると自然に膿がでます。または、葉の黒焼きとゴマ油を混ぜて塗布しても良いです。 |
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