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辻一彰は、山形県庄内町の生まれで、農業のかたわら、山菜採りを副業としている。
また、雪深い冬の間、山菜採りに使うバンドリやテゴだけでなく、高級感のある手提げも製作する。
ブドウ蔓を何年も藏に干して、その素材を活かして作られる手提げは、
正に美術品である。
初春、稲作の準備をしながら、月山に向かい、山うど、ぜんまいを採る。
そして、六月、月山筍を一度に40~50㌔、自作のバンドリで背負う。
『地下足袋を履いて膝下を縛れば、もうエンジン全開だよ』と言う辻は、
山菜採りで行方不明になった遭難者の捜索隊員でもある。
数年前、二日も雨に打たれて衰弱していた父娘の捜索にあたり、
沢を走り、ヤブに座り込んでいた娘を見つけたのは辻だった。
二人ともヘリで病院に搬送され無事だった。
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月山筍採りに向かう辻 一彰 |
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月山筍40㌔を背負って帰途につく辻一彰(後方の山人) |
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テゴの仕上がり具合を確かめる実父 稔
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