山椒は、山野に自生するミカン科の潅木で、葉や実に特有の香りを持つため、昔はこれを摘み取って使っていたが、明治時代になって栽培が始まった。漢方では、乾燥した果皮に消化系に効能があるとして用いられている。
山椒は芽が出てから実になるまで、さまざまな形で利用される。 3~5月頃の山椒の若芽を摘み取ったものが「木の芽」で、吸口と言って吸物に浮かべて香り付けにしたり、天盛りと言って煮物や和え物の上にのせる。ほかに、刻んで料理にふりかけたり、すりつぶして味噌和えなどにも用いる。吸物に使う場合は熱が加わるのでそのまま使っても風味がよいが、和え物のように冷たい料理に添えるときは、手のひらで軽くたたいてから使うと風味が増す。
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