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山菜の持ち味と料理 山菜の分類と料理法 料理のいろいろとそれに合う山菜

 山菜といっても味や香りは、それぞれ異なるため料理法も多様です。食用にする山菜は全般的に若い芽が多いため、柔らかく、そしてどの香りも、味も、しつこさは少なく、新鮮な淡さが基調です。そのため料理はできるだけあっさりと、それぞれの山菜の持ち味を生かすことがポイントとなります。
 山菜の味は大別して、キド味のあるもの、苦味のあるもの、酸っぱいもの、ぬめりのあるものなどに分けられます。料理法もそれに従ってほぼ決まってきます。
キド味の山菜  キド味というのは、「山菜用語」といってよいほどで、特有のあく味、ただのあく味でなく、丸みや深みも加わった、くせ味とでもいう風味が混ざったものである。たらの芽の味の系統(たらの芽、ハリギリ、タカノツメ、コシアブラ、ウコギ、ウド、エゾニュウなど)と、ヨモギなどの類の味の系統(ヨモギ、ゴマナ、シドケ、イヌドウナ、サワオグルマ、ハンゴウソウなど)が代表的な例です。
 キド味は、できるだけ生かして、山菜の個性を楽しむのがポイントです。天ぷらが良く合い、またゴマ和えなど和え物が適しています。
苦味の山菜  苦味といっても、フレッシュな舌に快い苦味で、毒の苦味とは違います。タンポポ、ウコギ、アケビ、ふきのとうなどがそれで、野菜にもレタスなどに軽い苦味がありますが、それと同類の味です。
 天ぷらは苦味を消す料理法ですが、しかし、淡い苦味を楽しむのが本筋ですので、酢の物、酢みそ和えなどで、苦味をやわらげるとか、白和えや甘味を少し加えて料理するとよいです。
酸っぱい山菜  スイバ、イタドリ、ギシギシ、スベリヒユなど、酸っぱい山菜は、それが持ち味ですので、酢っぱ味を消そうとするのではなく、酢みそ、酢の物、三杯酢にして酸味をうまく利用します。おひたし、塩漬け、即席漬けなども合います。
ぬめりのある山菜  ぬめりこそ、野菜にはあまりない山菜の特質のひとつです。ぬめりの代表はジュンサイで、茹でるとぬらめきの出るものとしは、ギボウシの類、ノカンゾウ、アマドコロ、ギンバイソウなどがあります。ミズナの茎やヤマイモのムカゴなども独特のぬらめきをもっています。
 ぬめりを生かすには、やはり酢の物が良く、辛子和えなどで味をしめると、口に良く合います。

 植物学上の分類のキク科とかユリ科というもので、同じ仲間に属するものは、植物の形だけでなく、成分や香り、味もかなり共通したものをもっています。そのため、料理法も植物の分類上のグループによって、ほぼ共通しているといえます。
キク科の山菜  キド味の強いものが多く、天ぷら、ゴマ和えが定石となります。根は煮つけ、味噌漬けに用います。 
セリ科の山菜  香りの強いものが多く、柔らかいものは、汁の具、ひたしものに使います。少しきつい香りのものは天ぷらやゴマ和えにします。 
ウコギ科の山菜  キド味があるので、これも天ぷら、和え物がよいです。
キキョウ科の山菜  くせがないので、あっさりした三杯酢や、かるい和え物、煮物が合います。
ダテ科の山菜  酸味があるので、酢の物や辛子和え、漬け物に合います。
ユリ科の山菜  酢の物、味噌和えなどがよく、ユリ根の類はどれも甘煮が適します。
アカザ科の山菜  ひたしものが適します。海浜産のマツナなどは、塩出しをしてから料理します。
シダ類  わらび、ぜんまいなどのアク抜きのいるものと、こごみ類のようにアク抜きが不要のものとがあります。
料理のいろいろとそれに合う山菜
ひたしもの  ほとんどの山菜が使え、しかも山菜の持ち味をよく生かす万能料理です。かつお節や化学調味料はあまり使用しないのが本筋といえます。

 カタクリ、うるい、行者ニンニク、しおで、わらび、ユリワサビ、タンポポ、アガサ、オケラ、ハコベなど 
三杯酢  酢、砂糖、塩の割合は、山菜それぞれの持ち味によって加減します。ほとんどすべての山菜が使えます。
 イタドリ、山うど、行者ニンニク、スミレ、ナズナ、オカヒジキ、イワタバコ、バイカモなど 
ゴマ和え  酢を加えてゴマ酢和えや、ゴマみそ和えもよいです。味噌は白味噌、ゴマも白ゴマにすると見た目も美しいです。これも万能型の料理です。
 コゴミ、たらの芽、しどけ、アザミ、ツルナなど
辛子和え  和辛子でもチューブ入りの即席辛子でも良いです。わさび和えも面白いです。

 ヤブカンゾウ、ツワブキ、ツクシ、ツユクサ、イワタバコなど
酢みそ和え  酢は十分にきかせるようにします。

 アサツキ、アザミ、ウコギ、山うど、コゴミ、のびる、ヤブカンゾウ、ふきのとうなど
白和え  豆腐と白ゴマの和え物で、砂糖、塩で調味し、しょう油は特に使う必要がありません。山菜の色を大切にします。

 コゴミ、しおで、ゼンマイ、わらび、ナズナ、ツルナなど
クルミ和え  栽培のペルシャグルミでもよいですが、山グルミの風味が山菜にはよく合うようです。剥きグルミが手に入れば便利です。
 アイコ、しおで、コゴミ、ゼンマイ、たらの芽、のびる、わらび、タンポポなど
うの花和え  豆腐のおからを衣にした和え物。炒めるのにむく山菜がよく、油こっい味のものに適します。

 こしあぶら、たらの芽、トリアシショウマ、クサギなど
おろし和え  大根おろしで和えるもので、酢をきかせるといっそうよく、あっさりとした味の山菜ががむきます。いったん塩漬けした山菜を塩出しにしたものもよいです。
 アケビの芽、キキョウ、トリアシショウマ、ヤブカンゾウ、ソバナなど
マヨネーズ和え  簡単で、洋風で、若い人向きだが、意外にあっさりした山菜の味わいに向きます。

 しおで、ヤマブキショウマ、ツルナ、ウコギ、ギシギシなど
天ぷら  水洗いしたものは、キッチンペーパー等で水気を除き、衣は少な目にして、そして、衣が薄く色づく程度に揚げます。ユキノシタなどは、裏側だけに衣をつけるなどの工夫で、山菜の持ち味を生かすようにします。
 アマドコロ、しおで、たらの芽、ユキノシタ、よもぎ、行者ニンニク、月山筍、ドクダミなど
油炒め  油をできるだけ高温にしてから、山菜を入れ、手早く炒めます。

 山うど、カタクリ、ヤブカンゾウ、ツクシ、オオバコなど
煮つけ  煮汁は多目にし、味はやや薄目にして山菜の持ち味を殺さないようにします。火を止めて、だしの味がしみるまで煮ふくめます。濃い味に煮る場合は、煮しめすぎないようにします。
 アイコ、アマドコロ、うるい、カタクリ、フキ、月山筍、ぜんまい、こごみなど
つくだ煮  しょう油味で煮しめるのが普通だが、味噌や酒を加減し、好みのものにします。保存食として利用できます。

 フキ、ふきのとう、サンシュウ、ニワトコなど
汁の具  山菜は細かめに刻んでおき、みそ汁でも、すまし汁でも、煮上がりにぱっと散らし、風味を消さないようにします。
 アイコ、セリ、月山筍、フキ、三つ葉、しどけ、わらびなど
炊き込みご飯  具は別につくるようにします。山菜は刻むため、風味が逃げないように注意し、酒や調味料のきかせすぎ好ましくありません。ご飯は塩味で炊いておくとよいです。蒸らしてから、具を混ぜます。
 ウコギ、月山筍、ナズナ、ヨメナなど
草餅  新鮮なものがよいですが、乾燥品の材料も、もどして使うことができます。もち米を使う本式でも、白玉粉を使う即席でも楽しめます。茹でてすりつぶし、餅に搗き込みます。
 よもぎ、ハハコグサ、オヤマボクチなど
即席漬け  キュウリもみの要領で、ごく手軽に塩もみ程度のものから、調味料を混ぜて、一昼夜ほど漬けるものまでできます。保存用の塩漬けとは違いますので、塩の量は材料の2~3%程度にします。塩を使わず、しょう油とみりんで漬けるのもよいです。

 ニリンソウ、ハコベ、ミズナ、わらび、スイバなど
味噌漬け  酒で少しゆるめた味噌に漬けます。出してから洗いにくいもの(ふきのとうなど)は、味噌の上にガーゼを敷き、材料を並べ、上にもガーゼをかけ、その上に味噌をかけます。柔らかいものは4~5日から食べられます。漬けすぎは歯切れもおち、持ち味が味噌に負けてしまいます。
 山うど、たらの芽、アザミの根、ハマダイコンなど
粕漬け  酒粕に漬けて旨み出します。漬かりすぎに注意し、漬かりごろに取り出し、ラップで包み、冷凍しておくとよいです。
 山うど、こごみ、たらの芽、月山筍、ミズナ、ツリガネニンジンなど
サラダ  山菜では生で食べられるものは少ないですが、中には生の味のほうが好まれるものがあります。

 山うど、タンポポ、イタドリ、葉わさび、スカンポなど 
スパイス  山菜にもスパイスになるものがあります。おもに料理のあしらいや鍋もの、麺類の薬味として用います。
 アサツキ、サンシュウ、葉わさび、ハマボウフウなど
家庭酒  果実の酒、草の酒ができます。アルコール度の高い焼酎、ホワイトリカーなどの酒につけ、糖分を加えて成分を浸み出させて作ります。果実酒を作るときの割合の目安は、果実1kg、酒1.8㍑、氷砂糖200~300gとし、種類や好みに合わせて加減します。2~3ヶ月経ったら果実を取り出します。
 果実の酒には
 ウコギ、グミ、クワ、サルナシ、マタタビ、ヤマモモ、ハマナスなど
 草の酒には
 アマドコロ、山うど、サイシン、リンドウ、オトギリソウ、ゲンノショウコなど
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