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九州出身の渡辺幸任は、庄内の山に魅せられたひとりである。山菜・きのこ採りで年に八十日ほど山には入り、およそ1000kgの山菜・きのこを背負う。
毎年、春のふきのとう採りから始まり、ゼンマイ、水ブキ、月山筍、キノコを採取する。採取した山菜・きのこはほぼ全て、山を教えてくれた山小屋の人や羽黒山の宿坊に持ち込む。
山で採取される山菜、きのこの場所は、息子にさえ教えないのが掟である。しかし、律儀な渡辺は教えられた山で採取した山菜・きのこは全量、山を教えてくれたひとに持ち込む。その真っ正直さに、また山のことが教えられ、多くのことが蓄えられていく。
日本民俗学会の会員でもある渡辺は、失われつつある山の文化を伝承すべく、多くの山人と交わり、山の生活について多方面の事柄を集め、その検証を行っている。山が雪で閉ざされる冬期間には、記録・写真を整理し自費出版のための筆を進めつつ、新たな山菜、きのこ採りの作戦を練る。
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ぜんまい採り |
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月山筍採り |
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山の清掃作業 |
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きのこ採り |
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