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山菜の下ごしらえアク抜き
下ごしらえ
 山菜を採取して山から帰ったら、すぐ下ごしらえをする。摘んだ山菜はビニール袋に入れて持ち帰ると、しおれなくてよいが、それを暖かい室内に放置すると、蒸れてしまったり、特有の美しい緑色があせて黄色くなったり、アクが出て黒く汚れてしまったりします。
 まず袋から出して、新聞紙の上に広げ、ゴミを取り除き、種類ごとに分けます。毒草などが混じっていないか調べます。種類が不確かで、食べてよいか迷うときは図鑑等で調べます。調べても分からないときは、新聞紙にはさんで、押し葉を作り、あとで山菜通の人に見せて鑑定して頂くとよいです。このようにしてひとつひとつ新しい山菜を覚えていきます。
 整理が済んだら、水洗いして泥を取り、堅くて食べられないところや、枯れ葉、いらない部分を切り捨てます。ゼンマイの綿毛を取ったり、アザミの茎の皮を剥いたり、種類によって下ごしらえはいろいろです。
 その日の内に調理しない場合は、整理してから洗わずに、新聞紙に包みんでおきます。丁度白菜を保存すると同じように、ビニール袋は使用しません。これで数日はなんとか保つことができます。もっと長く置きたい場合は、洗ってからポリ袋、ラップで包み冷蔵庫に入れます。
アク抜き
 
 ● 茹でる 
 
 たいていの山菜の調理は、まず茹でることから始まります。茹でるのは、山菜特有のアクや強すぎるキド味を除くためである。しかし、アクやキド味こそ山菜の風味の精なので、茹ですぎは禁物です。アクが強く苦いからといって、茹ですぎると、香りも失われてしまい、山菜のもうひとつの身上である歯触り、歯切れがなくなってしまいます。
 鍋にたっぷりお湯をわかし、それに山菜をさっと入れ、グラリとひと茹ですれば十分です。特に柔らかく、アクの少ない山菜(カタクリ、イワタバコ、セリなど)は、茹でる必要がありません。ザルに並べて、その上から熱湯をかける程度でよいです。


塩茹で  塩を少々入れた熱湯で、ひと茹ですると、山菜の鮮やかな緑が映え、茹で上がり美しいです。 
木灰を使う  木灰汁、つまりアルカリ液は、山菜のアクや苦味を中和します。昔から茹でるときに木灰を使うのはそのためです。
 ザルに並べた山菜に木灰をまぶし、その上から熱湯をまんべんなくかけて、押しぶたをし、一晩置きます。それから灰を水で洗い流してから、さっとひと茹でします。
 木灰が多すぎますと、山菜が柔らかくなりすぎて、後で茹でたときにドロドロ溶け、形がくずれ、味もダメになってしまいますので、木灰は少な目に用います。
重曹を使う  木灰が入らない場合、重曹に同じ効果があります。鍋いっぱいのお湯に小さじ一杯の重曹を入れます。特にヨモギやふきのとうの苦味をとるのには大変有効です。しかし、重曹も多すぎると、木灰同様、山菜の形をくずしてしまいますので、多すぎるのは禁物です。少な目にして、あとの水さらしで、アク抜きを心がけるとよいです。
 木灰の代用として塩と重曹を混用しても差し支えありません。  
木灰と重曹を併用  熱湯をバケツに入れ、約20分の1の量の木灰を混入し、しばらく放置すると、木灰は下に沈みます。上澄みをとって鍋に入れ、煮たたせ、火を止め、それに重曹を小さじ一杯加えてよくかき混ぜます。
 それにわらびなどアクの強い山菜を入れて、重しぶたをのせ、そのまま冷めるまで置きます。次ぎに別の鍋で新たにさっとひと茹でします。
 しつこいアクでも除くことができますが、この場合も茹ですぎないことが大切です。
水にさらす  茹でた山菜は、ただちに水に入れてさらします。植物組織の中で可溶性になったアクを水に流し出すためです。
 なるべく冷たい水を、手早く何回も替えてさらすのがコツです。水道水を細目に流しておくのも便法です。かじってみて、かすかに苦味が残る程度なら、料理の味付けで苦味は消せます。かすかな苦味を残すことが本式のやりかたです。汲み水に、長い間浸けておくと、風味、香りが抜けてしまいます。
 生で食べる山菜、例えば山うどなどは、皮を剥いてから水にさらすだけでよいです。
 茹でる、水にさらすは、アク抜きのためですが、天ぷらには、これらの前処理はしなくてもよいです。また、塩漬け貯蔵の場合も、強い塩でアクが除かれますので前処理は不要です。乾燥もアクを消す方法ですが、普通、乾燥貯蔵には、さっと茹でてから、水さらしは省いて天日に干す方法がとられます。
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